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長き介入(色―殺)
レ・フィー・ロン(Le Phi Long)
この展示空間では、記憶、場所、植民地主義の残滓、そして生態学的危機を詩的かつシュルレアリスティックに探求することで知られる、ベトナムのアーティスト、レ・フィー・ロンによるインスタレーション作品《Enduring Interventions(持続する介入)》を紹介します。

レ・フィー・ロンは、ベトナム戦争の傷は終わったのではなく、いまなお身体、風景、そして制度の中に静かに存在し続けていると考えます。本作は、そうした持続するト라우マへの芸術的応答です。

このインスタレーションは、ホーチミン市のトゥズー病院、ドンナイ省の元枯葉剤貯蔵施設、そして実際に枯葉剤の影響を受けた子どもたちの標本に関する作家のリサーチに基づいています。

作品に登場するイメージは、人間と動物が融合したようなハイブリッドな存在であり、現実には存在しないはずなのに、どこか既視感のある生き物たちです。伝統的なベトナムの「ドー紙」と墨を用いて、作家は密度の高い影のような場面を構築し、ゆっくりと進行する災厄の気配を呼び起こします。

その画面は、爆発、浸食、渦といった形象を想起させ、人間と自然がもろく不安定な均衡の中で絡まり合っているかのようです。それらは単なる歴史的描写ではなく、現代の生態系に埋め込まれた苦悩と不均衡のメタファーなのです。

作品で最も衝撃的な要素の一つは、実際に枯葉剤で汚染された土壌が展示されている点です。これは象徴的なジェスチャーではなく、戦争の物質的残滓であり、現実の生の痕跡なのです。

この土の前に立ったとき、鑑賞者は戦争との距離が突然崩れるような感覚を覚えます。過去はもはやアーカイブや映像の中に閉じ込められたものではなく、感覚の中で手に取るように現前します。

《Enduring Interventions》は、戦争とは閉じた出来事ではなく、現在にも作用し続ける力であることを訴えます。記憶とは静的な保管庫ではなく、共有された感覚、感情の共鳴、倫理的な気づきによって持続される生きたシステムであるのです。

鑑賞者はここで、土、紙、息の中に埋め込まれた忘れられた物語と再びつながることを招かれます。その静かな接続の行為のなかにこそ、本作の最も深い贈り物が宿ります――感じ、思い出し、いまだ解決されていないものの重みを共に担うための空間が、そこにあるのです。