蘭花:八曲屏
具成演 – 伝統と日常、美しさと不快感の境界
今皆さんの前にある作品は、写真家兼インスタレーション作家である具成演の《蘭花》です。朝鮮時代の文人画に登場しそうな蘭花と岩が屏風のように広がっていますが、近づくと全く違う世界が展開されます。
葉のように見えたものは実は捨てられたシャンプーボトル、洗剤容器、化粧品の容器です。環境汚染の象徴であるプラスチックが、ここでは清浄と高潔さの象徴である蘭花として生まれ変わりました。
これは伝統的な屏風形式を借用した写真インスタレーションです。遠くからは静的で上品な風景に見えますが、詳しく見るとその材料は日常の副産物、消費の痕跡です。作家は「本当の自然とは何か」「私たちが美しいと思うものは真に何を意味するのか」を問います。
具成演はインド哲学と写真を基盤に、事物の本質と象徴を探求してきた作家です。飴、岩、ポップコーン、プラスチック—彼は馴染みのある材料を見慣れないものにして、事物に対する私たちの認識を問い直します。
《蘭花》は単に美しいだけの作品ではありません。美しさと不快感、伝統と消費、自然と人工の間で緊張感を作り出し、観覧者に問いかけます。「あなたが見ているものは本当に『自然』ですか?」