無題
金煥基《無題》(1966) – 星の息遣いで描いた青い抽象
今皆さんがご覧になっている作品は、韓国抽象美術の先駆者金煥基の1966年作《無題》です。深く澄んだ青い画面の上に、小さな四角形の点が秩序正しく並んでいます。これらの点は単純な模様ではなく、作家の思惟と感情、そして存在の痕跡です。
金煥基は1960年代ニューヨークで活動していた時期、自然と宇宙、音楽と記憶を抽象化された造形言語で表現しました。特にこの時期の代表作は青い色調と点描的構成、そして反復的なリズムが特徴です。
作品を詳しく見ると、中心に沿って続く点の行列がまるで息遣いのように感じられませんか?その呼吸は時間の流れ、感情の震え、宇宙の鼓動のように静かに広がっていきます。
《無題》という名前のように、この作品は言葉で特定の意味を規定しません。しかしその沈黙はかえってより深い言語となって私たちに語りかけます。夜空の星明かりのようでもあり、故郷の山川を思い起こさせもし、詩の一節のように感性的な余韻を残します。
金煥基はいつも言いました。「抽象は叙情でなければならない。」この作品はまさにその文の証明です。青い画面の上に散りばめられた点一つ一つが、私たちの内面と静かに呼吸を交わしています。